水のいのちとものづくり 中部フォーラム


設立趣意書

設立趣意書

近年世界的に、干ばつ、洪水、水資源の枯渇、水質汚濁などが深刻化し、水の惑星ともいえる地球の水環境が危機に瀕している。世界各地で深刻な水ストレスに直面している人々は年々増加しており、この水問題の解決なくして人類の持続可能な発展はあり得ない。これは「命の水」の問題であると同時に、「水のいのち」の危機であるといえる。

ここ中部においても、厳しい地形と気象条件のなかで、大洪水や高潮、渇水、地下水くみ上げによる地盤沈下、水質汚濁など、様々な水の危機を経験してきた。しかし中部は、水の分かち合い、先端技術の開発、社会基盤の整備などによってそれらの危機を乗り越え、人間の活動と健全な水循環を共存させる努力をしてきた。すなわち、中部は、そういった経験や技術によって、世界の水問題の解決に貢献できる立場にあるといえる。

今、中部に求められていることは、中部自身が健全な水循環を指向し、持続可能な発展をめざす努力を継続することと、それによって培われた知恵やあらゆるレベルの技術を組み合わせ、総合的な水資源マネジメントの仕組みとして世界へ提供することである。そうすることによって、世界の水問題解決に貢献するとともに、中部自身にまた新たな水技術が生まれ、水産業が育っていくことが期待される。また、そのような取り組みを支え、地域に根ざしたシステムとして定着させるためには、水に関する教育など人材育成も重要である。

これらの取り組みを継続的に行うためには、産・学・官が連携し、更には異業種の企業同士が連携して、中部が持つ水技術や水に応用可能な技術を組み合わせ、パッケージ化するための場が必要である。そういった場を提供する仕組みとして、ここに「水のいのちとものづくり中部フォーラム」を設立する。

平成21年3月4日

このページの先頭へ